やりがいが溢れる退院支援に必要な6のステップ:精神保健福祉士の方のためのコーチング
群馬で量子力学を活用して精神保健福祉士を応援する志福祉ワーカーコーチの井内信吾です。
今日もあなたの貴重な時間を使ってブログにお越しくださり、ありがとうございます。
長期入院患者、社会的入院患者を地域での生活に導いてくことが精神保健福祉士の役割ですよね。
ですが、そうは言われても簡単に出来なかったり、上手くいかなかったり、どうやって取り組んでいけばいいのかわからない、と感じている精神保健福祉士の方、特に病院勤務の精神保健福祉士の方もいるかもしれません。
そのように感じている方へ、今回は精神科病院の入院患者さんを地域での生活によりよく導くための6つのStepをご紹介します。
今回の内容は、私が何度も精神科病院の病棟P S Wとして退院支援をサポートした経験と、退院する患者さんを受け入れるグループホーム職員としての経験を通して、お伝えします。
是非、あなたの日々の業務に生かしてください。
Step1:患者さんの意思を確認する
まず大切なことは患者さんの意思です。
どれだけ、サポートする側が「あれがいい」「これがいい」と言っても、患者さん本人が希望したり、望まなければサポートはできません。
救急病棟や急性期病棟などの患者さんの多くは、「退院したい」と希望する方がほとんどです。地域での暮らしの良さを実感しているわけですから。
それに、病院側としても決められた入院期間内に退院させることが目標になっていますから。
ですが、1年・5年・10年と長く入院している患者さんはそうはいきません。
長期間入院していたために、患者さん本人が地域での生活のイメージが湧かず、地域での生活の良さを忘れてしまっていることが多いです。
ですから、まずは患者さんに地域で暮らすことへ興味を持ってもらう必要があります。
興味を持ってもらうための方法としては、病院の外にあるコンビニやスーパーなどに買物に行ったり、外で食事をするのも効果的です。
また、実際に病院から退院してグループホームや福祉サービスを受けながら地域で生活している当事者の話を聞くのもいいですね。
今はコロナ禍なので、外出や外部の人を院内に入れることが困難な面もあると思います。
そんな時には、患者さんと一緒に食レポのT V番組を見ながら、「ラーメンは好きですか」「よく行きましたか」「また食べたくないですか」と、過去の記憶から地域での生活の良さや楽しさを思い出すきっかけを作り、地域での生活に興味を持ってもらうようアプローチするのもいいですね。
そして、「退院してみたい」「自宅に戻りたい」「グループホームで生活して見ようかな」と、患者さん本人の意思をはっきりさせる。
これがステップ1です。
ここが当たり前ですが基本であり、ベースになります。
Step2:主治医の許可を得る
たぶん多くのP S Wの方がここで苦戦しているのではないでしょうか?
患者さんが退院を希望していても、「あの人は退院できない」と主治医が納得してくれず、退院に賛同してくれない。そのため退院支援が出来ない、と悩んだ経験のあるP S Wは多いと思います。
特に病院全体の方針として、積極的に退院させない方針になっていれば尚更です。
ですが、主治医に退院できるかどうかを納得してもらう必要ありません。
ただ、P S Wに任せてもらえるように主治医の許可を得ればいいんです。
「私が全部やりますので、先生は病状の管理をお願いします」と主治医としての役割を確認して、それ以外のことはP S Wがコーディネートすることを了解してもらえばいいんです。
少し乱暴な言い方ですが、医者は使いようです。
患者さんの退院支援のために、いかに医者を活用するかが大切です。
Step3:看護師の協力を得る
病院の中で一番に専門職としての人数が多く、病院の中で患者さんと多くの時間接しているのが看護師です。
「私たちが患者さんのことを一番知っている」とプライドを持った方も多いです。
ですから、退院支援において看護師さんの協力を得ることがとても重要です。
私の印象として、看護師の多くは退院支援に協力的ですし、「退院は無理だ」と拒否的な人は少ないです。
ですから、看護師さんのプライドを引き立たせるような関わりをすれば、協力を得ることが出来ます。
「病棟生活で患者さんにはどんな課題がありますかね」「課題を克服するため患者さんにどう関わっていけばいいですかね」と患者さんのことをよく知っている思いを生かした関わりをすることで、看護師は協力的に関わってくれます。
中には退院に消極的であったり、病棟看護師全体が退院に否定的だったりします。
そんな時は、長期入院患者が退院する事例を一つ作ることです。
労力が必要ですが、P S Wが看護師との関係を構築し信頼してもらい、看護師の患者さんに対する退院への希望を少しずつ大きくしていく関わりをしていくことで、看護師が前向きに患者さんと関わってくれて、結果退院へと導くことが出来ます。
時間はかかりますが、一つ事例を作ると看護師さん全体の意識も上がるので、頑張って取り組んでもらえると嬉しいです。
Step4:家族の想いを把握する
特に長期入院ケースの場合、家族が退院に消極的であったり、自宅に退院することに家族が拒否をすることはよくあります。
患者さんの病状悪化時に、家族は苦い体験をしています。罵声を浴びせられたり、暴力を受けたり、ご本人を遠方まで迎えに行ったりと、辛い経験をしています。
本人が入院したことで平穏な生活になり、入院が長くなることで平穏な平穏な生活に慣れてしまいます。そこに本人が帰ってくるとなると「また、あんな嫌な体験をするのか」とネガティブな思考になり、退院や自宅に戻ってくることに消極的になるのは無理ないですね。
ですから、この段階では家族の不安や恐怖感をいかに解消するか、患者さんの退院を拒否する理由をなくせるかがポイントになります。
「自宅でまた暴れられたら困る」という場合なら、退院先をグループホームやアパートにする。
「本人とどう接していけばいいかわからない」ということなら、訪問看護などを導入して定期的なサポートを得られる状況をつくる。
「本人の身の回りの世話は出来ない」ということなら、ホームヘルプの利用や自立訓練事業を導入する。
このように家族の心配をなくしていく、減らしていくことで、家族の了解を得ることが必要です。
ですが、どんなことをしても家族が退院に理解してくれないのであれば、
強硬手段ではありますが本人の意向も確認し、家族との関係を切ることも選択肢の一つです。
家族の意向で不必要な入院を続けることは倫理に反していますからね。
Step5:居住地域の把握
退院先によって環境は様々です。
自宅に退院するのか、自宅と同じ市内のアパートなのか、市外のグループホームなのか、または県や地方を跨いだ場所なのか。
退院予定の場所の近くにスーパーやドラッグストアがあるのか、退院先ではどんな障害福祉サービス事業所があるのか、どうやって通院するのか、グループホーム内でタバコが吸えるのか、
などなど、退院先の地域の情報はたくさんあると、退院後の生活がイメージしやすいですね。
そのためにも、退院前訪問指導を活用してください。
患者さんと一緒に退院予定の場所へ行き、寝泊まりする場所の様子や周りの状況を把握し、一緒に住む人やサポートする人の想いや意向を聞いたり、患者さんが退院後の生活をイメージできるようにサポートしてみてください。
看護師や作業療法士など他職種と一緒に行うことで、多様な視点から退院場所の状況を把握できるため、おすすめです。
Step6:Keyとなる支援者への引き継ぎ
退院支援で大切なことは、患者さんが退院してより良い生活を継続させることです。
ですが、基本的に病棟勤務のP S Wは患者さんの退院後の生活に関わることはできません。
ですから、退院後の生活に継続的に関わることが出来てKeyとなるサポート役への引き継ぎが必要です。
例えば、相談支援事業所の相談支援専門員やグループホームのサービス管理責任者、積極的な民生委員が地域にいるなら民生委員、また通院先に相談員やP S Wがいれば、そちらに引き継ぐのも方法です。
私の経験として、市町村や保健所などの行政の人に情報を提供することは必要ですが、積極的に関わってもらうことはあまり期待出来ないと感じています。
引き継ぐ内容としては、概要などはもちろんですが、ご本人の思考の傾向や障がいや病気についての認識具合など、を伝えてあげると、引き継いだ側がこれからのサポートに生かせるので、とても有効的だと感じます。
退院支援は精神保健福祉士の重要なミッション
精神保健福祉士が創られた理由の一つが長期入院患者、社会的入院患者の解消です。
ここに継続的に精神保健福祉士が取り組んでいく必要があります。
精神保健福祉士のミッションですから。
是非、病院勤務のP S Wの方は改めて長期入院患者、社会的入院患者の解消に取り組んで行って欲しいです。
そして、地域の福祉施設などで働く精神保健福祉士の方も、協力していただいて、みんなで精神保健福祉士のミッションをコンプリート(完了)させましょう。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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群馬で量子力学を活用して精神保健福祉士を応援する志福祉ワーカーコーチの井内信吾でした
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